2023/06/01 熨斗の表書きガイド:感謝の気持ちを伝えるための文字選び

熨斗の表書きガイド:感謝の気持ちを伝えるための文字選び

贈り物の文化には、時と場面に合った独特の要素が含まれています。その一つが、「熨斗(のし)」と呼ばれる飾りです。熨斗は、日本の伝統的な習慣の一部として、贈り物やお金を包む際に使われる紙や袋に添えられるものです。熨斗は、ただの装飾ではなく、贈り物の意味や気持ちを伝える重要な要素として存在します。

この記事では、熨斗について知りたい方や熨斗のことをよく知らない方向けに、基本的な知識からマナーや注意点までを分かりやすく紹介します。熨斗が贈り物の中で果たす役割やその由来、表書きの種類や選び方、マナーや注意点について詳しく解説します。

目次

1.熨斗の基本知識
  •    熨斗の役割と意義
  •    熨斗の種類と変遷
2.表書きとは
    •    表書きの役割と意義
    •    表書きの書き方と美しさ
    3.表書きの種類代表的な表書きの解説
      •    表書きのバリエーション
      •    お返しの事例
      •    表書きの選び方
      •    考慮すべきポイント
      4.マナーや注意点
        •    内熨斗と外熨斗の違い
        •    表書きの書き方
        •    熨斗紙の使用注意
        •    連名で贈る場合の名入れ
        5.まとめ


          1. 熨斗の基本知識

          熨斗(のし)は、日本の文化において贈り物や現金を包む紙や袋に添えられる飾りです。特に冠婚葬祭や贈答などの場面で使用され、贈り物の意味や気持ちを伝える重要な要素となっています。この章では、熨斗の基本的な知識について詳しく見ていきましょう。

          熨斗の役割と意義

          熨斗は、贈り物に添えることで贈り主の感謝の気持ちや祝福の意味を伝える役割を果たします。贈答文化が盛んな日本において、熨斗は目上の方やフォーマルな場面での贈り物にはほぼ必ず付けられるものとされています。熨斗の形状やデザインはシーンや贈り物の内容によって異なりますが、その存在だけでお祝いやお礼の気持ちが伝わる特徴があります。

          熨斗の種類と変遷

          熨斗には様々な種類があります。古くは「掛け紙」に「水引」と「熨斗」を添えて包装する方法が一般的でしたが、近年は簡略化され、紙面に「水引」と「熨斗」のデザインが印刷された「熨斗紙」が主流となっています。また、熨斗紙の中央右上に配置される飾りが正確な「熨斗」であり、これが贈り物の内容や贈り主を表す要素となっています。


          2. 表書きとは

          熨斗 選び方 表書き

          表書き(おもてがき)とは、熨斗紙の上段(水引の上)に書かれる贈り物の目的を示す文字や文句のことを指します。この章では、表書きの基本的な知識とその重要性について詳しく見ていきましょう。

          表書きの役割と意義

          表書きは、贈り物の種類や目的を明示するための重要な要素です。結婚祝いであれば「御結婚御祝」、出産祝いであれば「御出産御祝」といった具体的な表現を用いて、贈り物の受け取り手に祝福の意を示すとともに、贈り主の気持ちが明確に伝わることになります。また、表書きを選ぶことで、その贈り物がどのようなシーンや状況にふさわしいものなのかが一目で理解できるようになります。

          表書きの書き方と美しさ

          表書きの書き方も重要です。文字の大きさや配置、水引や熨斗とのバランスなどに気を配ることで、美しい仕上がりを実現できます。例えば、文字の大きさに合わせて上から一文字分の空白を開けて書き始め、最後の文字と水引の間にも一文字分の空白を空けるようにしましょう。丁寧な配慮を持って表書きを書くことで、贈り物の気持ちをより精緻に表現することができます。


          3. 表書きの種類代表的な表書きの解説

          表書きは、贈り物の目的やシーンに合わせて選ばれる重要な要素です。この章では、代表的な表書きの解説と、贈り物を選ぶ際に考慮すべきポイントについて紹介します。

          表書きのバリエーション

          表書きはその内容によって多様なバリエーションが存在します。以下に、主なシーンや贈り物に応じた代表的な表書きをいくつか挙げてみましょう。

          • 結婚祝い: 寿/御結婚御祝/御歓び/御祝
          • 出産祝い: 御安産御祝/御出産御祝/祝出産/御祝
          • 初節句: 御初節句御祝/祝初節句/御祝
          • 七五三: 七五三御祝/御祝
          • 入学・卒業・就職祝い: 御入園御祝/御入学御祝/御進学御祝/御卒業御祝/御就職御祝/御祝
          • 成人式: 御成人御祝/祝御成人/御祝
          • 長寿祝い: 寿福/御祝(年齢によって異なる)
          • 転勤: 御餞別/祝御栄転
          • 定年退職: 御餞別/おはなむけ
          • 新築祝い: 新築御祝/御祝開業/祝御開店/祝御開業/祈御発展
          • 結婚記念日: 祝金婚式/金婚式御祝(結婚年数によって異なる)

          熨斗 表書き 寿

           

          お返しの事例

          お祝い事のお返しの際には「内祝」と書き入れることが多いですが、その他の例をいくつか紹介します。

          • 結婚祝いのお返し:寿(結婚式当日に使用される場合が多い)

           - 名前:両家名字を記載 ※婚姻後に使用する姓を右に記載します

           - 水引:結び切り、あわじ結び ※10本が望ましい

          • 結婚祝いのお返し(結婚式以降):内祝

           - 名前:夫婦連名を記載 (例)壺屋太郎 花子

           - 水引:結び切り、あわじ結び ※10本が望ましい

          • 御見舞のお返し: 快気内祝

           - 水引:結び切り

          • 出産祝いのお返し: 内祝

           - 名前:子供の名前を記載

           - 水引:蝶結び

            ※地域によって異なります。北海道は熨斗紙とは別に短冊を付ける場合もあります。

          • 新築祝いのお返し: 新築内祝

            -水引:蝶結び

          • 開店・開業祝いのお返し: 開店内祝、開業内祝、御礼、記念品、粗品

            - 水引:蝶結び

          表書きの選び方

          結婚の祝いであれば「御結婚御祝」、出産祝いであれば「御出産御祝」など、適切で具体的な表書きを選びましょう。また、長寿祝いや結婚記念日など、特別なシーンには年齢や年数に応じた表現を選ぶことも一つのポイントです。

          考慮すべきポイント

          表書きを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが大切です。

          • 贈る相手の関係性: 贈る相手との関係性に合った表書きを選びましょう。
          • 贈るシーン: 贈るシーンや状況に合った表書きを選ぶことで、贈り物の趣旨が伝わりやすくなります。
          • 贈り物の内容: 贈る品物や内容に合わせた表書きを選ぶことで、一貫性のある印象を与えます。

          表書きは、贈り物の目的やシーンに合わせて選ぶことで、贈り物の意味や趣旨を的確に伝える役割を果たします。贈り物を選ぶ際には、相手の関係性や贈るシーン、贈り物の内容に注意しながら、適切な表書きを選ぶことが大切です。その表書きの選択が、贈り物の価値を一層高め、贈り主の気持ちを豊かに表現する手助けとなることでしょう。


          4. マナーや注意点

          贈り物を包む際に熨斗紙や熨斗紙を使う際のマナーや注意点についてご紹介します。適切なマナーを守ることで、贈り物の品格や気持ちがより伝わることでしょう。

          内熨斗と外熨斗の違い

          熨斗紙や熨斗紙を使った包装には、内熨斗と外熨斗の2つの方法があります。

          • 内熨斗: 品物に直接熨斗紙をかけ、その上から包装する方法です。控えめに贈りたい場合や郵送で贈る際に多く用いられます。内熨斗は、配送時のダメージから熨斗紙を守る効果もあります。
          • 外熨斗: 包装後に熨斗紙をかける方法で、贈り物を強調したい場合や直接手渡す際によく使われます。外熨斗は、贈り物の存在感を高める効果があります。

          どちらの方法を選ぶかは、贈りたい印象やシーンに応じて使い分けましょう。

          表書きの書き方

          熨斗紙の上段中央には表書きを記します。ただし、文字が水引や熨斗にかからないように気をつけましょう。下段には表書きより少し小さく、贈り主の名前を書き入れます。

          表書きの書き方は、心をこめて萎縮せずにのびのびと書くことが大切です。文字の上手下手よりも、全体のバランスが美しく整った仕上がりを心がけましょう。

          熨斗紙の使用注意

          熨斗 表書き 注意

          熨斗紙は、もともと生ものを意味するものであったため、生ものには使用しません。贈答品として生もの以外のものに熨斗を付ける習慣があります。布や陶磁器、装飾品など、生もの以外の贈り物に熨斗を使うことで、縁起を担ぐ意味が込められています。

          連名で送る場合の名入れ

          贈り物を複数の人から贈る場合、連名で名前を書く際のルールもあります。右から順に、年齢や地位が上の人の名前を書くのが一般的です。順位がない場合は、五十音順に名前を書いていきます。ただし、連名での名前の書き込みは3名までとし、4名以上の場合は代表者1名のみ名前を書き、その左側に「他○○一同」などと書きます。

          適切な熨斗紙の選び方や表書きの書き方、名入れの注意点を守ることで、贈り物に対する気持ちや意味が正しく伝わります。内熨斗と外熨斗を使い分けたり、表書きのバランスを考えたりすることで、より気配りのある贈り物となるでしょう。


          5.まとめ

          いかがでしたでしょうか?熨斗を添えることで、贈り物に込めた心のこもった意味を伝えることができるのは素敵ですよね。この記事でご紹介した熨斗のマナーにも気を使ってみてくださいね。相手のシーンに合わせた表書きを選んで、贈る喜びと共に贈り物の品格を高めてみてください。ぜひ、大切な人への思いを、熨斗と表書きを通じて贈りましょう。



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